先週末の国際シンポジウムと時を同じくして、仙台市の地下鉄東西線が開通した。自分の発表のあった 12/5(土)が開通前日、12/6(日)が初日。12/5 の夜に市街地へ向かうバスに乗りながら、5年間も事あるごとにお世話になったこのバスも、今日限りで見納めなのかと、妙に寂しい気分になっていたのはここだけの話。
さてそんなことは露知らず、国際シンポジウムの会場であった国際センターに足を運ぶ地下鉄開通前日の朝。久々に見た国際センター周辺の景色は様変わりしていた。大きな地下鉄の駅があり、広い芝生があり。終いには、どの建物が国際センターなのかわからず迷う始末。
そう、迷ったのだ。
短い時間ではあったが。
人影少ない閑散とした朝8時。私は地下鉄開通のニュースをすっかり忘れていた。そして待ち受けるテレビカメラのクルー。緊張を隠せない。何をしているんだあの人達は。知らんぷりしよう。顔を隠そう。足早に、国際センターの建物の中に消え去るはずだった。ところが。
ガンッ。
開かない!扉が開かない!
ガンガンガン。
隣も開かない!
国際センターに見えたその建物は、開通前の地下鉄の駅だった。勢いよく建物に歩み寄り、派手に音を立てて扉に阻まれ、慌てふためいて隣の扉にも阻まれる一部始終を撮られてしまった。
カメラから逃げるようにそそくさと立ち去る黒ずくめの男が、もし TV に映っていたとしたら、それは私です。
見聞読考録 2015/12/12