見聞読考録

進化生態学を志す若手研究者のブログです。NZ 在住。

地球温暖化問題の現状

恐ろしい記事を読んだ。

 

www.esquire.com

恐ろしくはあるが,特に驚きはない。こういう時代に,我々は生きているのだ。


近い将来,地球がダメになったときに,現代を見返してああだこうだと後悔することになるだろう。2020 年のあの大事なときに,安倍なんちゃらが石炭発電を推進したからとか,なんちゃらトランプが CO2 の排出規制を取っ払ったからとか,そういうことを嘆くのだ。やってられるか。地球の平和な未来を望むなら,安倍もトランプも即刻クビにすべきであろう。

 

www.esquire.com

上の写真集では,日本の事例も紹介されている。

 

他人事ではない。

知らなかったでは済まされない。

辛い現実から目を逸らしてはいけない。

 

今こそ臭いものを封じ込めたフタを開くときである。

入れ物の中身が腐敗し膨張して,最後に爆発する前に。

 

 

見聞読考録 2020/01/16

オーストラリアの山火事

オーストラリアを焼く山火事が,前代未聞のレベルに達している。昨年から続く山火事で630 万ヘクタールもの広大な森林が燃え尽きてしまったという。630 万ヘクタールと言えば,関東圏7県全域に,静岡,山梨,長野,愛知の4県を加えた面積よりさらに広大な面積が,一連の山火事によって焼け野原にされてしまったということである。島国・日本では想像すらできないとんでもない規模である。

 

www.amsj.com.au- Australasian Mine Safety Journal

 

archive.boston.com - The Big Picture, Boston.com

山火事の原因は諸説あり,引き金は放火とも言われているが,これほどまでに被害が拡大したのはやはり気候変動による乾燥と気温上昇の影響が大きいだろうと思う。これによってオーストラリアでは,地球温暖化への危機感が増し,多くのデモ行進がなされたようだ。

 

コアラやカンガルーなどのオーストラリアにしか生息しない貴重な動植物も,ヒトの身勝手な活動のせいでヒト以上の相当な被害を被っている。推定によるとこれまでに焼け死んだ野生動物の数は12.5億匹にも登るとか。

 

コアラやカンガルーの話もいたたまれないが,私としてはカギムシやトタテグモのようなこれまた希少で貴重な地球の財産が時々刻々と失われつつあることに胸騒ぎが収まらない。どうか,どうか,少しでも多く生き延びてほしいと祈るばかりである。

 

www.nytimes.com - The New York Times

 

これほどの,地球の未来を左右するほどの,大惨事にもかかわらず,日本での報道は非常に少ないように感じる。気候変動が孕む問題の重要さ・危急さを理解できていないとすれば,これほど能天気な話はない。最近の日本は,国際的な行動にどうもわがままさが目立つ。自己中すぎやしないだろうか。日本のことだけ考えていれば良い時代は終わった。アメリカに追従する従順な奴隷も,今代首相はよくもまぁ恥ずかしげもなくできるものだ。見ているこっちが恥ずかしい。

 

我々の立つ地球は,閉じられたシステムである。我々は互いに大いに影響しあって生きており,地球規模の問題は必ず自分の問題として還ってくる。地球温暖化を始めとする環境変動の問題も,海洋のプラスチック汚染の問題も,原発事故が招く放射能汚染の問題も,生物多様性の減少が孕む生態系サービス衰退の問題も。

 

www.wwf.org.au - WWF

まずは,地球上で起こることの全てを自分のこととして捉えるよう皆が心がけるべきだろう。オーストラリアの山火事についても,WWF に寄付をするなど,個人レベルで行えるアクションはある。

 

 

見聞読考録 2020/01/13

NZ の地名

年明け2日,新しい家に引っ越した。今年2月の出国に向け,家具や家電を処分する必要があったためである。

 

こちらで知り合った友人夫妻が,我々の出国と入れ替わるように長期休暇を取っており,長らく家を空けることになっていた。そこに,我々があやかったわけだ。友人夫妻としても,長期にかけて家を空けるより,セキュリティ的に安全だと考えたのだろう。Win-Win の契約となった。

 

というわけで,年末から年始にかけて引っ越しのため大忙しだったわけだが,ちょっと面白い,いや,ちっとも面白くないのだが,面白いと思えば面白い出来事があったので書いておきたい。

 

それは,引っ越しに向けて,家財を売りさばいていたときに起こった出来事である。

 

こちら NZ では,日常の取引すべてを,Trade Me というサイトを通して行うことができる。

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この Trade Me が実によくできたサイトで,家財の売り買いだけでなく,車探しや家探し,果ては職探しまで,このサイトひとつで扱うことができる。購入者に郵送するとなれば,郵便局や宅配業者のシステムまでひとっ飛び,痒いところに手が届くたいへん便利なサイトなのである。しかも,NZ 国内からしか内容にアクセスできず,不適切な売買にはペナルティが伴うほか,出品者と購入者が互いを評価しコメントを残すことから,詐欺に合うこともほとんどない。極めて誠実な取引を期待できるのだ。日本で言えば,メルカリに近いだろうか。僕は使ったことがないので,あまりよく知らないけれど。

 

一方,これは最近になった変更されたことなのだが,Trade Me で商品が売れた際に,数%の手数料を取られるようになった。運営費用がかさむようになったのか,金儲けに走ったのか,それはわからない。そういうわけで,今回は Trade Me ではなく,Facebook の Marketing サイトも利用してみたのだ。これが良くなかった。

 

この Facebook のシステムには出品者に対しても購入者に対しても一切のペナルティもないものだった。つまり,例えば「はい!はい!買います!買います!」と声高に叫んで他の希望者を蹴落とした上で,「やっぱりやめます!」と言い出して出品者を怒らせたところで,迷惑をかけた張本人は痛くも痒くもないのである。購入希望者に対するペナルティがないというただこれだけことが,これほどまでに事態を悪化させようとは思いもよらなかった。散々やり取りした上で音信不通になったり,来ると言っていた日に来なかったり,それはもう毎度のように酷い目にあった。出品した家財の半分以上に対して,当日になって現れず,そのまま音信不通という,Kiwi っ子のとんでもないいいかげんさを見せつけられてしまった。

 

Trade Me で出品したときはトラブルにあったことはほとんどなかった。やはり自身の行いを他者に評価されるというのは心に響くものなのかもしれない。ほんの少しのシステムの違いが,ものすごい大きな結果の違いを招くことになるのだと実感した。ヒトのインセンティブを推ることの重要性を思い知らされる。

 

立ち退き日の前日までベッドの受け取り手が現れず,急遽他の希望者を募ったときには,もうダメかとも思ったが,最悪の事態はぎりぎり免れた。こちらの損害は大きかったが。。

 

昼過ぎには取りに来ると約束をしていた当日の夕方に,ついに痺れを切らして,「いつ来るの?今どこにいるの?」と連絡を取ったところ,我々の住む Palmerston North から車で8時間もかかるオークランドにいて「Ohh, no!!」などと連絡をもらったときには,もう訳がわからなすぎて言葉も出なかった。あれだけ熱烈に欲しがっていたのに,いったいどういうつもりなのか,意味がわからない。それもよりによって持ち運ぶ手段のないベッドとは...,退去日の迫る我々の気持ちにもなってほしい。彼女の頭は大丈夫だろうか。

 

そんなようなトラブルがたくさん起こった年末年始,最も衝撃的だったトラブル,ザ・トラブル・オブ・トラブルズ,ぶっちぎりの MVP が下記のものである。

 

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現在地 Palmerston North からおよそ 18 km,車で 15 分くらいのご近所に,Feilding という小さな街がある。行政区画的には Palmy の一部となるのだろうか,よくわからない。Facebook の Marketing サイトに出品した商品に,Feilding 在住の買い手が付いた。

 

「住所は 176 Cook Street West End です」

「Ae c u tmrw」

 

省略しすぎてほとんど意味不明だが,ae はニュージーランド英語で,了解というような意味。c u は see you,tmrw は tomorrow のことである。つまり,わかった。明日取りに行くと言っているわけだ。

 

さて,購入者を待つ当日。約束の時刻になっても訪問者は影もなく。待てど暮らせど一向に待ち人の現れる気配がない。

 

何の音沙汰もないまま,ついに夜になってしまった。

夜9時過ぎ。もう何度目ともわからない質問を投げかける。

 

「今どこにいるの?」

「Wllington」

「Omg」

 

ウェリントンと言えば,Palmerston North や Fielding から車で2時間もの距離にある。どうしてそうなったのか。

 

「今日 176 Cook Street を訪ねたのに,誰もいなかった。どういうことなの?」

「Wellington の?」

「Wellington の」

「Omg」

 

誰もいないのはそりゃそう,176 Cook Street 違いである。街が違う。違いすぎる。

 

これまでも随所で感じていたのだが,ニュージーランドには同じ名前の通りが多すぎる。どこに言っても Cook Street や Nelson Street があるし,Queens Avenue,Victoria Avenue,Kings Street,Prince Street などは定番中の定番である。それがまさかこのような事故を引き起こすことになろうとは...,予想だにせぬ事態であった。

 

それにしても彼の住まいから車で 15 分の距離に Palmerston North という大きな街がありながら,どうして彼は Wellington へ行ってしまったのか。こちらのプロフィールには Palmerston North 在住とあるし,それに Wellington の Cook Street は West End ではない。というか,Wellington なんて一言も... いやあんた,わかったって言ったじゃないの。いったいどういう勘違いをしたら,Wellington まで取りに行こうと思うのよ。ガソリン代の方が,購入した商品より高く付くだろうに。まるで意味がわからない。

 

「二時間もかけてドライブしたのに」

「U no say palmy」

「I am not so happy」

 

いやいや,そんなこと言われても,not so happy なのはこっちだよ。何でちっとも悪びれてないの,意味がわからない。

 

終いには言わんこっちゃない,ガソリン代を半分出せと言い出した。

 

「We both learned from today」

 

「私たちはお互いに,今日という日から学んだね」って,おいこら。こっちには非はなかろう。学んだのは向こうだけだ。こちらが学んだことと言えば,この世にはスゲぇ馬鹿がいるってことくらいだ。

 

結局,彼の努力(?)に免じて商品をタダにしてあげた。めちゃくちゃ不機嫌なめんどくさいメッセージが来ていて疲れたので,張り合うのをやめた。振り返ってみれば終始,こちらが折れたかたちである。何だこれ。すごい。新手の詐欺かもしれない。

 

以上がこの度の騒動の MVP である。

 

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最後に,生粋の NZ っ子とのチャットを通して知った,省略記述の数々をメモとして残しておきたい。

 

u = you

n = and

lil = little

tday = today

pik up = pick up

tmrw, tomrw = tomorrow

thnk u = thank you

ae = OK(Kiwi 限定)

ae?, aye? = isn't it?(Kiwi 限定)

grand = great(Kiwi 限定?)

b4 = before

hav = have

c u tmrw = see you tomorrow

swt as = sweet as(Kiwi 限定?)

wat = what

thnk u c u n morn = thank you see you next morning

o myb not = oh, maybe not

if u cn drop = if you can drop

 

もはや,現役の高校生同士のやり取りを見るような不可解さであった。まじ卍,みたいなアレである。意味はわからないけど。ネイティブ同士で使われる文章がこれかと思うと頭が痛い。

 

 

見聞読考録 2020/01/10

新年,明けましておめでとうございます

年末大晦日も,年始元日も,共に調査に出かけてしまった私です。

 

2月の出国を控え,年明け6日には近くの家へ引っ越しも終えました。

忙しくも充実した素晴らしい年明けだったと言えるでしょう。

 

そう,引っ越しのクソ忙しい最中に調査に行っちゃったんですね。だって行きたくなっちゃったんだもの,どうしようもないじゃないの。

 

そんなどうしようもない私ですが,本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

見聞読考録 2020/01/08

年の瀬

クリスマスも過ぎ,大学も閉鎖され,いよいよ年の瀬と言える日々を過ごしている。気候的には真夏なので,慣れ親しんだ年の瀬とはかけ離れているが。

 

2月中旬の出国に先立ち,年明け2日に,こちらで知り合った知人宅へ引っ越しをすることになった。ちょうど入れ替わるように,知人は休暇を取るらしく,長期に渡って家を空けないためにも,誰かに住んでいてもらいたいらしい。利害が一致したかたちである。

 

というわけで,大晦日に向けて大掃除という,いかにもな年末を過ごしている。まだまだやることがいっぱい。

 

例にもれず本年も怒涛の一年だった。ちょっと遊びすぎた気も...,来年はもっと研究にウェイトを置きたい。

 

皆さんの来年も良い年になりますよう。今後とも宜しくお願いいたします。

 

皆さん,良いお年を!

 

 

見聞読考録 2019/12/26

『湿地帯中毒 - 身近な魚の自然史研究』

前回の日本生態学会でお会いした際に,著者である中島淳博士にいただいたご高著『湿地帯中毒』をつい先日読み終えた。

 

湿地帯中毒 - 身近な魚の自然史研究

中島 淳(著)

東海大学出版部

 

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第1・2章をカマツカの研究,第3章をドジョウの研究に当て,最終第4章に中島さんの生い立ちを含む自伝が赤裸々に語られる構成になっている。カマツカの章を読み終えた時点で雑務が舞い込んできてしまったため,今月になるまで続きに手をつけられずにいた。なので,カマツカについて書かれた前半二章分の記憶はすでに曖昧だが,もう十分にお腹が膨れるくらいの凄まじい熱量を感じられる内容だったことは印象に残っている。

 

何よりも中島さんの培った膨大な知識に脱帽せざるを得ない。カマツカやドジョウだけでなく,淡水性の魚類全般,それから水生昆虫に関しても,日本全国,いや世界を見渡しても,中島さんほどの実力者はいないのではないかと思えてしまうほどの底知れぬ知識を垣間見れる。中島さんの言葉を借りれば自然環境に「沈む」ように生きている私でさえそうなのだから,一般的な読者は目を白黒させるばかりであろう。専門的な研究内容の書かれた第1〜3章については,一般には細部まで理解されないかもしれない。

 

それだけ専門的な内容に踏み込んだ書籍にも関わらず,それでも読者はいつの間にか,中島さんの軽妙な語り口に引き込まれていくことだろう。随所に散りばめられた,時に衝撃的な,時に信じられないようなエピソードの数々に,少なくとも私は声を上げて笑った。研究者になるべくしてなった中島さんの幼少期について語られた第4章も,変わり者エピソードが満載でたいへん面白い。誰もが心から楽しめる一冊と思う。

 

ちなみに,中島さんの幼少期の姿は,私の幼少期にも少し通ずるところがあり,強い共感を持って第4章を読ませていただいた。私はどうやら "普通" とは違う幼少期を過ごしてきたようなので,このような体験は初めてであった。ピカピカの書籍の合間から,昔懐かしい泥臭い湿地帯の匂いがして,私にとってはたいへん心地よい書籍でもあった。自信を持って万人におすすめしたい。

 

 

見聞読考録 2019/12/16

化石賞受賞

最初の「化石賞」に日本 - COP25 - 経産相発言を批判
https://www.asahi.com/articles/ASMD410FTMD3ULBJ00J.html

 

日本政府の皆様,もう何度目かもわからない「本日の化石賞」の受賞,おめでとうございます。もはやあなた方に私は何も期待していないので,日本と世界が滅んでしまう前に,さっさと政権交代していただければ幸いと思います。

 

環境問題についての日本の意識の低さが,近年得に際立っている。ちょうど今年になってスーパーマーケットでさえいよいよビニール袋の使用を禁止し再利用の紙袋を利用し始めたここ NZ にいると,日本の国際感覚の低さ,サステイナブルな未来を目指す世界の潮流に逆行する自己中さに,頭を抱えざるを得ない。いや,実際は NZ では紙袋さえあまり使われない。NZ で言うところの一般人,日本で言うところの意識高い系に当たる NZ の人々は,買い物にマイバッグを持っていくのはもはや当たり前。忘れたとしても,紙袋の利用を断って購入した商品を両手両脇にたくさん抱えて車まで運んでいくというような光景は,日常的に見られる。NZ の先進的な思想,環境問題や持続可能な資源利用に対する見識の高さについては枚挙に暇がないが,先進国と後進国・日本との差には悲しいほどに開きがあるのだ。しかも,日本が現在のような政治,現在のような教育を続ける限り,その差は日に日に開く一方である。

 

今の政権じゃ改善は見込めないだろう。何気なく発する発言のひとつひとつが,戦前にも遡る時代遅れの古き悪しき思想を感じさせる。俗に言う老害というやつだ。今や安倍晋三は,米大統領ドナルド・トランプと並んで世界最低のうつけ者と見られていることだろう。あとは,ブラジリアントランプとの呼び名も高い,ブラジル大統領ジャイール・ボルソナーロもそこに並ぶだろうか。あるいは,安倍なんとかみたいな小心者は,モノの数とも見られていないかもしれない。うん,そんなところだろう。

 

モリカケ」の友達優遇主義や,「桜を見る会」の税金私物化もそう。出産をめぐる失言の数々や,環境問題に取り組む国際会議の前日に環境負荷の高い牛ステーキを食べてしまう愚行もそう。大阪城の改修の際に天守にエレベーターをつけたことを各国代表の前で「大失敗」と言ってウケを取れると思っている安倍なんとかの無神経も,「桜を見る会」の参加者名簿を破棄したのは「障害者雇用職員」だったとの国会答弁をよりにもよって「国際障害者デー」にしてしまう安倍なんとかの人を見下した態度も,頭が悪いという以前に,気が触れているとしか思えない。人として何をしてはダメで,どうして批判されているのかもわかっていないんじゃなかろうか。息を吸うように悪事を働く。それが自民党,それが安倍政権である。地球に住む万人が持つべき教養がなってない。安倍なんとかだけでなく,麻生なんとかとか菅なんとかとか,日本を牽引しようというトップの政治家が揃いも揃ってこの有様なのだ。私はそんな悪代官共に日本を引っ張ってほしくない。悪代官は引退,あるいは逮捕あるのみである。少なくとも「モリカケ」や「桜を見る会」は法的に見たってクロだろう。悪人は,牢屋に繋がれなければならない。

 

 

見聞読考録 2019/12/05