見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

匂いを記述する

韓国に行っていた方からのお土産で,高麗人蔘の入ったキャンディをもらったのだが。。
「高麗人蔘キャンディ」と呼ぶべきこのアメ,味・匂い共になかなかに強烈であった。



一度舐めれば,食べ終わるまで匂いと味に耐えなければならない。
自分の口の中が,臭い。しばらく臭い。辛い。


あの匂いをなんと形容すれば良いのだろう。
土臭いというか,なんというか。


ある人は,裏庭の畑の匂いがすると言っていた。
またある人は,お寺の匂いがすると言っていた。


匂いの例えは,人それぞれで様々だ。
そこがいい。


そういえば,一昨日まで参加していた種生物学シンポジウムでは,植物に集う送粉者(昆虫や鳥などの花粉を運ぶ生き物)と植物の花との関係についてのシンポジウムが開かれており,そういうことを研究している研究者が多く集まっていた。あまり馴染みのない世界で,非常に面白く,また自然によく通じたナチュラリストが多かったように思う。


そんな自然をよく知る強者たちの,花の匂いの形容たるや,いやもう印象的なんてもんじゃない,もはや衝撃的ですらあった。
面白すぎて吹き出しそうなくらい,なぜみんな笑いもせずに淡々と聞いていられるのか不思議でしょうがなかった。


「この植物の花は子供の靴下の匂いがするんです。大人のではなくて,子供の靴下の匂いであることが重要なんです」


「この花の匂いはまさに糞尿の匂いそのものです」


いやもう感性豊かすぎて,感服した。
僕も今後,真似しようと思う。


とりあえず身の回りのものの匂いを片っ端から嗅いでみるところから始めよう。


見聞読考録 2016/12/05