見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

耳がキーンってする。。

はー。耳がキーンってするー。。


Hidde Zemel 君に最初に会ったのは,2010年4月のことだっただろうか。修士 2年の春,当時の僕の指導教員 C さんを頼ってオランダから日本に留学に来たのが彼だった。


半年ほど,チューターとしてお世話をし,お気に入りのアニメ「銀魂」の木刀と湯呑茶碗を手土産に持たせて,Hidde 君はオランダに帰っていったのだった(湯呑茶碗を持たせたのは,僕の友人の S 君。あ,Hidde 君は今もあれを使ってましたよ)。


それから 2011年10月にも仙台で,2015年12月にも札幌で,会っている。親しい仲なのは確かだが,仮にも日本とオランダという遠方に住んでいてこの頻度とはどういうことなのか。2015年に札幌に来る,と聞いた時点で,えらく驚いたのを今でも覚えている。


ところが。


話はそれだけで終わらなかった。


なんと,今僕が住むオランダのフローニンゲンに,彼も住んでいるという。それも,同じ通りのたった 200 m という距離に!目と鼻の先!


ご近所さんどころの騒ぎではない。まさかこんなことになろうとは思いも寄らなかった。何せ連絡を取ったのが移り住んでからだったのだ。その時の驚愕をご想像いただけるだろうか。


と,いうわけで。


オランダに移り住んでからというもの,Hidde 君には散々お世話になりまくっている。彼の友人を交えて一緒に飲みに行ったり,観光地を案内してもらったり,お祭りに連れて行ってもらったり。持つべきものは友達,というのは本当のようだ。


今日も朝から彼の仲間を紹介してもらって一緒にバードウォッチングに行ってきた。そして,ついさっきだ。


彼がボーカルを務めるパンクロックのバンドの生演奏を聴いてきた。Lola 050 という裏路地の寂れたライブハウスを訪ねると,赤く照らされた洋風のシャンデリアが怪しく輝く密室に,Hidde 君のシャウトが木霊していた。もうね,すごいの一言だね。完成度も高かったし。よくもまぁあれだけの声量を維持できるものだ。尊敬してしまった。まぁ,売れるようなものではなかったと思うけど,それでもすごいものはすごい。



疾走するギターと激しいドラム,ベースの重低音。耳なんか通さなくとも,音の波が体中をガンガン駆け抜けていった。


そう,耳なんて通さなくても良かったのだ。というか,あんな爆音をまともに聴いてたらあっという間に耳が壊れる。


そして,うっかり耳栓をし忘れてしまった僕は,壊れかけの耳を抱えて,帰路についたのだった。ま,明日になったら治るはず。たぶん。


見聞読考録 2017/05/21