見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

謹賀新年 2015!

2014年が怒濤のごとく過ぎ去った.息つく間もないほどに忙しくも充実した年だった.新しい土地に身を置いた変動の年であった.大きな重荷を一つ,ようやっと下ろし大きく物事が前進した年でもあった.総じて,良い年だったと思う.ありがとう,2014年.


そして息つく間もないままに 2015年がやってきた.


元日.長野の山奥で過ごす,例年通りの年明け.大雪警報・なだれ注意報の発令される中ではあったが,初滑りに行ってきた.


場所は“木島平スキー場”.開放感あふれる広大なゲレンデといい,山頂から麓にかけて上級者から初心者までが楽しめる多彩な構成といい,なかなかに魅力的で気に入っている.昨シーズンから発行されるようになった,隣接する “X-JAM高井富士”・“よませ温泉スキー場” との共通券も素晴らしい.


そして何より,ここには日本屈指の難易度を誇るトンデモ素晴らしい上級者コースがある.その名もパイオニアコース,最高斜度45°/平均斜度35°を誇る超上級者コースである.


最高斜度35°もあれば,立派な上級者コースと言って良いだろう.斜度40°を超えるようなコースともなれば,そうそうお目にかかれるものではない.それが,平均35°/最高45°とはこれいかに.下から見ても,もはや崖にしか見えない.


そして極めつけは,その距離である.その距離870m!スキーを知っている人にしかこのスゴさは伝わらないかもしれないが,ちょっと想像してほしい.例えば,平均35°とは言っても,距離が短ければたいしたことはないのだ.ちょっと目をつぶっている間に終わってしまうだろう.これが長いとそうはいかない.落っこちる部分がなっかなか終わらないジェットコースターみたいなものだ.それなりに頭と体を使って,一生懸命降りて来ないといけない.


今日は,そこに行ってきた.


見上げるようなリフトを上りきると,そこはもはや極寒の冬山.樹氷に覆われた木々と,分厚い雪に埋もれた山小屋がある.頃合いを見計らったかのようにうっすらと日が射し,それはそれは美しい白銀の世界が広がっていた.


最高のコースだった.最高の雪質.最高にエキサイティングな急斜面.雪を蹴って落ちるように滑る(というか,滑るように落ちるというか).自分が落とした雪が背後から雪崩になって落ちてくる.それをくぐるようにしてカーブを切る.新雪に体を浮かす.落ちる.落ちる.何度も何度もトライした.


素晴らしい元日だった.


リフトに乗っている間に自分の膝に降り積もる雪の結晶を眺め,真っ白な世界を眺め,今後について考えた.パイオニアとして,常に臆せず,感謝と楽しむ心を忘れず,挑戦して生きていこうと改めて思えた.


今年を実りある年にしよう.
今年も皆さま,どうぞよろしくお願いします.


見聞読考録 2015/01/01