京都の街には今,雪が降っている。
形も朧げな灰色の雲の切れ間に陽光が注ぎ,風に揺られて下へ上へと舞う雪が美しく輝いている。時に吹雪くように吹き荒れ,時に忘れたように静まる様は,見ていて飽きが来ない。冬はつとめてというが,今日のように寒い雪の日は,日中だっていとおかしと言えよう。冬はやはり寒くてこそ良いものである。
ああ,私は今,清少納言も住まうていた京都にいるのだなぁ。京都には一度,住んでみたいと思っていたのだ。一生いたいかと問われれば,ちょっとわからないが。
一瞬一瞬の幸せを噛み締めつつ,駄文を書いていないで早く論文を書こう。
見聞読考録 2021/02/18