見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

『怪物狩り』

怪物狩り
小塚拓矢(著)


研究室の先輩が本を出した。すごいことだ。
そしてなんと、その本をいただいてしまった。ほっといても買ったのに!!
・・・こうなれば宣伝せねばなるまい。

こんな怪魚(やつ)がまだ地球にいて
こんな男(やつ)がまだ日本にいたんだ。
衝撃のファイトにでっかい拍手。


僕が何を書くよりも、帯に書かれた椎名誠の言葉が、内容を的確に表現していると思う。ってか先輩と椎名誠は知り合いなのだろうか?個人的にはそこが一番気になるのだが。。


肩入れしている分を差し引いても、か な り レベルの高い本だと思う。


まず、内容が面白い。一言で言ってしまえば、世界中の怪魚を釣り歩いた冒険談なのだが、最初から最後まで決して飽きさせない濃密な内容になっている。研究室にも来ずに何をしているのかと思えばこんなすげぇことをしてたのか。なんとうらやましい。
そういえば何度か旅先から電話をもらったりしたな。えらくタイムラグがあるなと思えば「今コンゴ」とか言い出すし。まさか自分の携帯にコンゴからの国際電話がかかってこようとは予想だにしなかった。
そもそも、これだけの冒険をできる人間が日本にいるだろうか?世界中見渡したってなかなかいないんじゃなかろうか?この本の面白さはこの無謀さにあるといえるだろう。こんな無謀な冒険をしたというただそれだけで、尊敬に値する。真似しようとしたってなかなかできるもんじゃない。まず真似したくないけど。


写真やイラストが多いのも素晴らしい。見たことも想像したこともないモンスターが次から次へと現れる。写真を眺めているだけでも楽しい。釣り好きの人だけでなく、万人が楽しめる本だと思う。


ただ真面目に生きていては学べないことがたくさんあると、改めて実感させられた。


見聞読考録 2010/10/30