見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

評記

『砂漠』

砂漠 伊坂幸太郎(著) またやってしまった。これだから、伊坂幸太郎は困る。 今日はこんなことをやるために徹夜したのですか?あなたはどれほどまでに目の前の誘惑に弱いんですか?西嶋の声が聞こえるようだ。 しかし、物事はなかなか思うようにはいかない…

『怪物狩り』

怪物狩り 小塚拓矢(著) 研究室の先輩が本を出した。すごいことだ。 そしてなんと、その本をいただいてしまった。ほっといても買ったのに!! ・・・こうなれば宣伝せねばなるまい。 こんな怪魚(やつ)がまだ地球にいて こんな男(やつ)がまだ日本にいたんだ。 …

『パズル・パレス』

パズル・パレスダン・ブラウン(著) ダ・ヴィンチ・コードで一躍有名人となったアメリカの人気作家、ダン・ブラウンのデビュー作。先の泉ヶ岳で時間を持て余しているうちに読み終えてしまった。 どの作品もそうだが、著者の歴史・宗教・言語・国際情勢に関する知識…

『六番目の沙夜子』

六番目の沙夜子 恩田陸(著) 人気作家、恩田陸の処女作。 なぜだろう。恩田陸の描く物語の多くは、話の中に読者を引き込むものがある。繊細な感情の表現が上手いからかもしれない。 「いくらなんでもそりゃできすぎだよ」とつっこみを入れたくなることも多…

『世界は分けてもわからない』

世界は分けてもわからない 福岡伸一(著) 世界は分けないことにはわからない。しかし分けてもほんとうにわかったことにはならない。・・・(略)・・・つまり、私たちは世界の全体を一挙に見ることはできない。しかし大切なのはそのことに自省的であるということで…

『分類思考の世界 -なぜヒトは万物を「種」に分けるのか-』

分類学思考の世界 -なぜヒトは万物を「種」に分けるのか-三中信宏(著) 科学者はいつの時代も物事を客観的に見ることに努める。だがしかし、科学者は科学者である前に人である。人であるが故に認識のバイアスがかかる。真の客観性とは何か。科学者は真の客…

『化粧する脳』

化粧する脳 茂木健一郎(著) テレビなどによく出演している茂木健一郎という方の著書。 どんなものかと買ってみた。数十ページ読んで読むのを止めた。 よくわからないヨコ文字が出てくるのだが、それに関する説明が曖昧。その曖昧なヨコ文字を前提に話が展…

『超・殺人事件 -推理作家の苦悩-』

超・殺人事件 -推理作家の苦悩- 東野圭吾(著) 言わずと知れた売れっ子作家の短編集。 どの作品にも推理作家やそれに近い立場の人物が登場する。それによって話の中に階層的な世界をいくつも作り上げている作風が印象的だった。小説の中の世界と、小説の中の…

『真相』

真相 横山秀夫(著) 横山秀夫は、人間の持つ疑念・憤怒・不安・恐怖・悲嘆・焦燥などの感情をリアルに描く。そのせいで・・・暗い。考えさせられることもあるが、後味が悪い。 たぶん、もう読まない。 これまでに読んだ横山秀夫の本。 ・半落ち ・ルパンの消息 2010…

『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 村上春樹(著) 村上春樹の小説は好きだ。 文章そのものが特徴的。言語能力に乏しい僕にとっては、難しい文体で書かれているように見えるのに、すんなり頭に入ってくる。 妙に哲学的。なのに難しくない。それで…