見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

仁川空港より

また海外に来てしまった。
現在地、仁川空港内の Internet Cafe。
トランジットが7時間もあるので。


次のフライトは 19:30。
行き先は、、


モンゴル。


総人口 300 万人弱に対し、日本の4倍の国土面積を有する広大な国。
人口密度に換算すると、なんと日本の 1/200 に満たないという。スケールが違う。


モンゴルそのものも、もちろん初めてだが、
今回はそれ以上に、"初めて" の多いの旅になりそうだ。
いや、すでになっている。


まず、本格的な海外での野外調査のパーティで、日本人が僕だけ、ということ。
しかも初めて、リーダーシップを求められるポジションについている。隊長っていっていいのだろうか。
とはいっても、プロジェクトを背負ってるわけじゃないので、気は楽だ。"なんちゃって" 隊長といったところだろう。


地元の案内人を自分で見つけてきたのも初めて。
いつかの国際学会で、唯一のモンゴルからの参加者 Pさんを捕まえた。WWF に勤めていると聞いて、勢いで捕まえた。特にチャンスが少ないときには、肩書きの効力は絶大、ということだろう。


必然的に、Pさんとのやり取りも、ほぼ全部任されることになった。調査の目的も、場所も、方法も、日程も、手配も、許可申請も、全部。ぜーんぶ。これも初めてのことだ。こんなにもしんどいものだとは思わなかったが、良い勉強になった。


ただ、、


この Pさん、ちょっと、というかかなりミスが多い。


最近の例で言えば、予め国際送金して食料を買っておくか、初日に一緒に買い出しをしてから出発するか、どっちにする?という質問があった。国際送金は面倒臭そうだったので、後者を選んだら、滔々と説得されてしまった。それによって得られる一日がどれほど重要か、と。じゃあ聞くなよ、と。というか、立て替えといてくれれば良いと思うのだが、どうもそういう発想はないらしい。


と、まぁ紆余曲折を経て臨んだ国際送金。案の定、極めて面倒な代物だった。
このために無駄にする今週月曜の午前中。でもこれで一日多く調査ができると思えば仕方がない...と不満を飲み込んだ。


そう、不満を飲み込んだ月曜日。
それから一週間、どれほどの不満を飲み込んだことか。




<水曜>


P: 「周りにいる女性が○○っていう日本製の化粧品ほしがってるんだけど、買ってきてくれない?」


返事: 「探したけど見つからなかったよーごめんね。もうちょっと早く言ってくれれば良かったのに!」




<木曜>


P: 「最後にアドバイスだけど、8月のモンゴルは雨が多くて寒いから対策した方がいいよ。川とか増水するかもしれないね」


返事: 「...そうなんだ、わかったよ、ありがとう」




<金曜>


P: 「あっ、ごめん、教えた口座番号間違えてた!急いでキャンセルしてきて!」



...え?


え"!!!!


バカなの?!


あんたバカなのっっ?!!


銀行なんかに行ってる暇はないよ!
明日土曜朝6時には出発だよ?!!


すっごい忙しいんだよ?!
予定キツキツなんだよ!!


だから直接会ったときに渡すって言ったんだよ!
どうしてくるれんだよこの役立たず!!!!!!




返事:


「キャンセルしてきたよ。怪我なく実り多い旅にしよう」




このストレス、お分かりいただけるだろうか。


だいたい、8月は調査に向かないってのが一番ひどい。雨降ることが分かってるんだったら、最初に言ってくれ!「モンゴルで調査するのにベストシーズンはいつ?」これが一年前ぐらいの俺の最初の質問だったはずだが。


これまでの 80 回に及ぶメールのやり取りの中で、下がるところまで下がりきった Pさんに対する僕の評価。


果たして実際はどんな人なのか。


そして、この旅の行く末はいかに?


乞うご期待!


見聞読考録 2013/08/10