見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

フィリピン人とのアニメトーク

今年5月、フィリピンに行くことになった。今研究室に来ているフィリピンからの留学生に案内してもらうことになっている。一足先にフィリピンに戻る留学生のために、今日はお買い物に付き合ってあげた。


道中、日本のこと、フィリピンのこと、自分がなんで日本に来たか、など他愛もないことをいろいろ話した。日本に来た理由のかなり上位には、アニメが好きだから、ってのがあるんだって。んー。どっかで聞いた話。


そういえば、二年ほど前にうちの研究室に来ていたオランダ人(♂1)も、そのオランダ人を頼って一月ほど遊びに来ていたオランダ人(♂1)も、その時他の研究室に来ていたオランダ人(♂1)も、去年の今頃うちの研究室に来ていた別のオランダ人(♂1♀1)も、みんなみんなアニメオタクだったな。みんなみんなアニメオタクでオランダ人だった。なぜだろう。なぜオランダ人ばかりなんだろう。じゃなくて、なぜアニメオタクばかりなんだろう。先生、なんでオランダ人ばかりなんですか?


あの、人間の想像力だけで成り立っているようなアニメの世界に、世界中の人が虜になることは悪くない。非常に平和なことだ。人間の想像力に限りはない。故にアニメ文化にも終わりはないだろう。世界に誇って良い日本の文化だと思う。と、ジブリ以外のアニメをほぼ全く知らない人間が書いてみる。だって見ていて微笑ましいんだもん。


でもみんながみんなそれ目当てに来なくてもなぁ。もっといろいろあるでしょうに。と思えるのは僕が日本人だからなのか?


ちなみに、今日一緒にお買い物に行ったフィリピン人は「NARUTO」というアニメが好きなんだって。忍者をモチーフにした作品だったはず。だから、なるとの入ったラーメンが好きなんだって。あ。そのもとになったのは渦潮だよ、って教えてあげなきゃ。


思い返せば、二年前来ていたオランダ人のお気に入りは「銀魂」だった。こっちは侍をモチーフにしていた気がする。そうだ。木刀しか持ってない侍の話だ。洞爺湖で買った木刀を帰国前にプレゼントしたんだから間違いない。


こう見ると結局、アニメが好きだからなのか、日本の伝統文化に興味を持ったからなのかわからなくなってきたな。


いずれにせよ海外の人が興味を抱くのは日本の文化であるらしい。考えてみれば当然のことだ。大都市なんてどこの国に行ったって大差はない。同じ物を見に行ってもつまらない。わざわざエネルギーを使ってまで他の土地に行こうというそのモチベーションは、他の土地にしかない何かを求めるところから来るに違いないのだ。それは自然だったり文化だったり科学技術だったりいろいろあるだろうけれども。


日本の魅力を保つためには、日本文化を大切にすることが欠かせない。
と、フィリピン人に教えてもらった。


追記:
> わざわざエネルギーを使ってまで他の土地に行こうというそのモチベーションは、他の土地にしかない何かを求めるところから来るに違いないのだ。


今いる場所にいたくない、ってのもモチベーションとしてあり得るな、と思い直した。マイナーな意見だとは思うけれども。

「ここじゃないどこかに行ける気がする」
旅の指さし会話帳, 情報センター出版局


見聞読考録 2012/03/06