見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

クリスマスな 12 月

NZ は,欧米である。少なくとも文化的にはキリスト教圏の影響が強い。そして1年で最もその特徴が色濃く現れるのが,生誕祭である 12月25日。そう,クリスマスである。


12月に入ってからというもの,ここ Palmy(Palmerston North の愛称)でもイベントが目白押しであった。週末はもちろんのこと,平日の夜にまでクリスマス関連の映画鑑賞会だとか,NZ Army のマーチングバンドによるパレードだとか,クリスマス市,サンタクロースの行進,プロの演奏家を呼んでの大規模なコンサートなどなど,各所で隙間なく大小様々なお祭りが繰り広げられており,目まぐるしいほどだった。オーケストラの生演奏を背景にベテランの歌手が魅せるコンサートは,行政が主催して無料で開催されているとはとても思えないようなレベルの高さだった。クリスマス市もとても良かった。一方,マーチングバンドとサンタクロースの行進はどちらも悪天候のため中止され,Palmy っ子はひどく残念がっていた。特にサンタクロースの行進に至っては当日の早朝にキャンセルの通知があったのだが,その時点での天候は快晴,イベントが行われるはずだった正午も快晴,夕方にちょこっと雨があったくらいだったので,Palmy の市民はお怒りであった。通知のあった Palmerston North の FB の公式アカウントには,「サンタさんは雨の予報だけでプレゼントを配らなくなるんですか?」とか「この青空が見えないんですか?馬鹿ですか?」みたいな,怒り心頭のコメントが溢れ返っていた。まさしく,炎上していた。Palmy のお子さんは毎年この時期にサンタさんに会えることを楽しみにしているようなので,親御さんのお怒りも頷ける。そういうことで,今年の Palmy はこれでもイベント的にはハズレ年だったと言えるかもしれない。


そんな浮足立った12月もいよいよ終わり,かと思えば今日は Boxing Day と言って,街中のお店が売れ残りを処分する特価の日らしく,街中は見たことがないほどに混み合い,未だにお祭り騒ぎは続いているようであった。


クリスマスから来年1月3日まで大学は閉まっている。年末年始に立ち入るには,特別な書類にサインをしなければならない。教授や事務員も皆,長期の休暇を取り,勤勉に大学に通う研究者も学生もほとんどいないことだろう。人のいない職場で何か良からぬことが起こっても面倒なので,僕もその間は研究室に立ち入らないことにした。あまりに優雅な生活に,日本との格差を思わずにはいられない。学ぶことの多い良い国に来たと,今の境遇に感謝の尽きないクリスマスであった。


さて,今年もたいへんお世話になりました。来年からもどうぞ当ブログをよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。


Merry Christmas & Happy New Year!


見聞読考録 2018/12/26