見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

日本に氷河?

立山連峰:氷河?「流動」確認できるか−ーカルデラ砂防博物館/富山」
毎日新聞 2011/11/11

 北アルプス立山連峰で氷河が現存することが国内で初めて確認される可能性が高まっている。立山カルデラ砂防博物館(立山町)が今年9月から剱岳(標高・2999メートル)の2カ所の雪渓で氷体を調査。結果は早ければ、15日に国立極地研究所(東京都立川市)で開かれる「極域気水圏シンポジウム」で発表され、その後、学会の審査を受けることになる。【岩嶋悟】
 氷河は厚さ30メートルを超す雪や氷塊が重力で流動し続けるものをいい、立山連峰には約1万年前に氷河に浸食されてできたとされるおわん形の「カール地形」が複数みられる。
 今年、同博物館が初めて調査したのは、剱岳の北方稜線(りょうせん)の東側にある三ノ窓雪渓(標高約1800〜2300メートル)と小窓雪渓(同2000〜2300メートル)。両雪渓で厚さ約30メートル程度の氷体を確認。9月上旬に両雪渓の氷体2カ所に長さ4・6メートルのポールを埋め込み、GPS(全地球測位システム)で1カ月間の動きを観察した。また、クレバスの内部に潜り込み、氷の観察も行った。
 また、昨年に引き続き雄山(同3003メートル)の御前沢雪渓の氷体の流動についても9月から約1カ月半、GPSで流動を調査した。昨年の調査では氷体の斜面下側で6〜30センチの流動が確認された。しかし、学会のなかで「誤差の範囲ではないか」との異論が出され、氷河と認められなかった。今回の3カ所の調査で誤差の範囲を超える流動が確認されれば、氷河と認められるという。
 調査を行った同博物館の福井幸太郎学芸員は、剱岳の氷体について「御前沢雪渓の氷体に匹敵する大きさで、内部には雪が押しつぶされてできたしま模様を確認でき、氷河である可能性が高い」としている。


これはすごい!!


いや待て。すごいのか?


最近,以前に比べて単純に物事に感動できなくなってしまったようだ。二人の自分が頭の中でよく戦っている。


直感的な自分 A: すごい!日本にも氷河があるかもしれないなんて!


論理的な自分 B: は?何が?氷河だったらどうだってんだ?雪渓だって氷河だって似たようなもんだろうが?


自分 A: だ,だって!ロマンじゃないか!


自分 B: だからどこがロマンなんだって聞いてんだよ!ボケ!


どういうわけか,論理的な自分の方が常に柄が悪い。どうでもいいか。


上の記事には「氷河は厚さ30メートルを超す雪や氷塊が重力で流動し続けるもの」とある。なんだ。所詮人間の勝手な基準ではないか。30メートルじゃなくて20メートルではなんでいけないんだ?何か意味があるのか?
雪渓ではなくて氷河であることがどのような意味を持つのか。この点をもうちょっと知りたいところ。


でもパッと見,面白そうなニュースだったので載せておくことにする。


その他の参考資料:


立山に氷河か、国内で初めて確認の可能性」
読売新聞 2011/11/15

 富山県北アルプス立山連峰で氷河が現存することが国内で初めて確認される可能性が出てきた。
 立山カルデラ砂防博物館(富山県立山町)の研究チームが、雪渓内の氷塊が流動しているのを観測し、15日、東京都立川市で開かれた極域気水圏シンポジウム(国立極地研究所主催)で発表した。
 氷河は、一年中解けず、重みで長期間、流動する氷の塊。日本雪氷学会から認定されれば、極東アジアでは、ロシアのカムチャツカ半島とされる氷河の南限が一気に下ることになる。
 研究チームが調査した氷塊は、立山の主峰・雄山(おやま)(3003メートル)の東側斜面にある御前沢(ごぜんざわ)雪渓と、剱岳(2999メートル)北方稜線(りょうせん)の東側にある三ノ窓雪渓と小窓雪渓の計3か所。御前沢の氷塊は長さ700〜800メートル、幅が最大250メートル、厚さ最大30メートル。三ノ窓は長さ約1キロ、幅100メートル以上、厚さ30メートル以上で、小窓は長さ約1キロ、幅150メートル以上、厚さ20〜30メートルだった。


見聞読考録 2011/11/15