見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

3歳児の謎

キルギスへ調査に行ってきた。3週間に渡るそこそこ長い出張だった。

事故なく終えたことをまずは喜びたい。

 

この3週間の間に,うちの2歳児は3歳の誕生日を迎え,双子は共に1歳になった。

3匹(人)の怪獣の暴れ回る混沌の日々を3週間強に渡り収めてくださった妻に心よりの感謝を。

長らく先延ばしにしていた3人(匹)の誕生会も,昨日までの3日間に分けて無事に終えた。

 

さて,表題の謎の話をしたい。心底どうでもいい話なので,期待しないで読んでいただけると幸いである。というか,内輪のための覚書のようなものなので読んでいただく必要もない。

 

うちの3歳児は自動車が好きである。

誕生日に買った昆虫の図鑑も,魚類のポスターも,恐竜のミニチュアもまぁまぁいい線は行っているようだが,それよりもダントツで自動車が好きなようである。

 

お気に入りのパトカーや救急車の小型模型を双子に取られそうになるだけで大騒ぎで逃げ回るし,実際に取られようものならこの世の終わりのように泣き叫ぶ。双子を押し倒したり,頭突きを食らわせたりして,両親(特に父親)にこっぴどく叱られ,火がついたように泣き喚いたりしている。至極,めんどくさい。

 

「はたらくくるま」と題した子供用の自動車図鑑?のようなものもたいへんに気に入っているようだ。気がつくと熱心に開いて,

 

ぱとたー!(パトカー!)

たっちー!(タクシー!)

ゆーびんしゃ!

 

と,写真を指を差しながら大きな声で読み上げている。

 

ごみしゅーしゅーしゃ!

きゅーきゅーしゃ!

どーどーしゃ!(消防車!)

ばしゅ!(バス!)

ぶーば!(車!)

ぶーば!(車!)

ぶーば!(車!)

 

セダンタイプの車,スポーツカーなど,一般的な乗用車は全て,ぶーば(車)と呼ぶので,ぶーばの割合が妙に高いのはご愛嬌。

 

みにぱとたー!(ミニパトカー!)

へりこったー!(ヘリコプター!)

ふぉーくりっとー!(フォークリフト!)

ぶーば!

はしーごどーどーしゃ!

ぶーば!

めろんぱんなちゃん!

 

...めろんぱんなちゃん?

今,めろんぱんなちゃんって言った?

 

めろんぱんなちゃんとは確か,絵本作家・やなせたかし氏の生み出した国民的絵本作品「アンパンマン」シリーズに出てくる人気キャラクターだったと思う。あまりよく知らないが,アンパンマン的世界観に則って推察するに頭部がメロンパンでできていて迷える幼な子などに頭部の一部を自らちぎって食用にと差し出したりするのだろう。すさまじいことだ。メロンパンの伝道師,いやメロンパンの権化と言って差し支えなかろう。

 

しかし何より驚くべきことには,我が家には残念ながら(?),アンパンマン要素が皆無であるということである。つまり,3歳児の突然のめろんぱんなちゃん発言については,出どころすらわからないということだ。新型コロナにも匹敵しうるこの感染力も,めろんぱんなちゃんの能力の一つなのだろうか。すさまじいことだ。恐ろしくすらある。

 

なお,3歳児の持つ「はたらくくるま」を拝借して検証してみると,どうやら「めろんぱんなちゃん」とは動物運搬車のことのようである。

 

謎は深まるばかりだが,とにもかくにも面白いので訂正しないでそのままにしている。

動物運搬車はめろんぱんなちゃんでいい。もうそれでいい。

 

 

見聞読考録 2022/09/06