見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

幼児と老人

昨年夏に生まれた双子ももう7ヶ月,今月には8ヶ月を迎える。早かったような,たいへんだったような。。現在進行形で全力の毎日なので,振り返る余裕もなく,何とも言いがたい。

 

特に妹ちゃんの方がお兄ちゃんよりも明らかに発育が早く,寝返りもスイスイだし,何にでも手を出して掴もうとするし,離乳食にも進んで食べようとするし,よだれも滝のようにデロデロだし,泣き声もトンデモない音量でまるで防犯ブザーみたいだし,音量を維持したままいつまで経っても泣き止まないし,気を抜くとすぐにおでこを引っ掻いて血を流している。後半の4つは発育とは関係ないかもしれないが。

 

今日も一緒にお風呂に入っていたら,真剣な顔つきでよだれを垂れ流しながら(妹ちゃんは真剣になるとおちょぼ口になって口先がトンがる,とてもかわいい),おもちゃを両手で一生懸命掴んでいた。まだめちゃくちゃ下手ではあるが。

 

右手の親指あたりにおもちゃが触れている。あと少しで掴める!というところで,足がびよーん!と暴れておもちゃを吹っ飛ばし最初からやり直し。あんなに指先に集中していたのになぜに,なぜに足なのか。ようやく両手で掴めた!と思いきや力が入りすぎて取り落とし,目の前からなくなったことに驚いてわたわたする。それこそ目をまん丸にして手足をバタバタさせて慌てふためいている。やばい,下手くそっぷり。やばい,かわいい。下手かわ(?),である。

 

事故や病気で身体の機能の一部が失われてしまった患者さんのリハビリを彷彿とさせる。あるいは,指先の震えた老人のぎこちなさを見ているようである。じれったい。でも,幼児のそれは悦びに溢れている。

 

ヒトは幼児から始まり,歳をとって死に向かうにつれ幼児に戻っていくんだなぁとしみじみ思った。

 

ちなみに双子のお兄ちゃんの方はまだ寝返りも満足にできない。寝たきりである。不憫だ。しかしそれでも,悦びに溢れている。

 

見聞読考録 2022/04/05