見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

火星の衝

皆さんはここ数日の天体ショーを観ただろうか?
私は観た。繰り返そう,私は観た。素晴らしいショーであった。


まずは15年ぶりの火星の大接近である。日に日に赤光を強める火星に,昔の人が吉凶を占う気持ちがわかる気がした。それほどに,観る人を引きつける眩いほどの輝きだった。
「衝」や「大接近」については,例えば下記のウェブサイトに詳しい。


国立天文台 NAOJ ウェブサイト
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/mars-approach.html


そして火星と同じ方角には,山羊座水瓶座・南ノ魚座流星群が押し寄せる日でもあった。ときに青く,ときに赤く瞬く流れ星が,眩しいほどに長く長く尾を引いて満天の星空を駆け抜けていった。隕石でも落ちたのかと思うほどだった。


下の図は僕がいつも利用している Sky Walk というスマホアプリのスクリーンショットだが,見たこともないような事態になっていた。大接近を迎えた火星の側に土星海王星冥王星,少し離れて木星もが今宵の宴に参加している。まさにお祭り騒ぎと言えよう。



そして何より,ここニュージーランドでこれほどの天体ショーを観られたことが何よりもの幸運だったと言えるだろう。私の住まいはパーマストンノースの繁華街からすぐのところにあるが,田舎の小さな町ということもあり,車で15分も走れば車通りも少なく街の明かりも全く見えないようない牧草地の只中に出ることができる。天ノ川のかかる満点の夜空を我が物のように楽しんだ。


ニュージーランドの星空の美しさは尋常ではないと聞く。今宵の天体ショーなど,まだまだ序の口だろう。
これからがますます楽しみになった,そんな一日であった。


見聞読考録 2018/08/01