見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

Polar Bear Day

朝,食堂に入ると,何やら奥が騒がしい。
ガラス張りの窓から外を見ると,なんとホッキョクグマがいた。


2 階のテレスコープを使って望遠する。
島から海を泳いで,こちら側の浜に上がったホッキョクグマは,そのままゆったりと山の斜面を登っていく。
途中で何を思ったのか,草の上にごろごろと転がったり,すっと立ち上がったり,とても可愛らしい。
あれで,人を餌を思って襲ってくるんだから,困ったものだ。
大満足の朝であった。


昼から夜にかけて,日本人の研究者の護衛を兼ねて,氷河の末端へ。
ライフル銃を肩に,フレアガンを腰に,双眼鏡と 400 mm の望遠レンズを装備した一眼レフを首に。
重装備である。無線は同行者に持ってもらった。
朝見たホッキョクグマがどこに向かったかわからない。
ライフル銃とフレアガンを唯一扱える僕の責任は重大である。
程良い緊張感のある山旅だった。


そして,夜。
ついさっき,無線に何やら不穏な連絡が。


"By the way, there is a polar bear in the harbor."


By the way って,えええええ。
外を見ると,150 m くらいの距離にいた。
双眼鏡で覗いたら,がっつり目が合った。
でかい。怖い。迫力満点。


基地のウォッチマンにフレアガン 2 発で脅されて,すぐに追い払われてしまったので,残念ながら写真はなし。
しかし,良いものを見た。がっつり真正面から見た。最高。


面白すぎんだろ,スピッツベルゲン島


見聞読考録 2017/07/17