次回のみちのく進化生物セミナーは、4/5(金)。
東北大・農学研究科の深澤遊さんにお越しいただきます。
実はこの背景の合成写真、深澤さん本人が作ったもの。
僕は台詞を添えただけ。
ね?なんだか楽しそうな人でしょ?
さて、以下にもう少し紹介文を書いてみます。
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深澤遊さんにお話いただく内容は「枯死木をめぐる生物間相互作用」について。
"朽木"といえば、多くの生き物が集まる虫取りスポットといえます。
多くのカミキリムシやクワガタは朽木を食べて成長します。
大きなコロニーを作って生活するシロアリがいることもあるでしょう。
それに共生するハネカクシや体内細菌もいます。
サルノコシカケのようなキノコ類がつけば、それに群がるツツキノコムシのような甲虫も現れます。
樹皮をめくれば、カタツムリやナメクジが這っているのを見ることができます。
テントウムシやカメムシ、オサムシなどの越冬場所としても最適です。
朽木を求めて集まった小さな虫たちを食べに、ムカデやゲジゲジのような捕食者も住みつきます。
やがて様々な分解者によってボロボロに分解された朽木には実生がつき、次世代の樹木が成長していくための貴重な場所を提供します。
こうやって少し考えただけで、"朽木"というものが森林生態系に、かなり大きな影響を与えているだろう、と予想できます。
考えてみれば、朽木というのはかなり特殊な"資源"です。
まず、森に入ればどこにでもある、というものでもなく、ごく限られた場所にしか分布しません。
しかも、時間が経つにつれて、どんどん質も変化してしまいます。
さらに、樹木の種類の違いによっても、全くぜんぜん違う質の資源になるでしょう。
そうすると、当然、その資源を利用する生物の種構成や生物間相互作用にも変化が生じると考えられます。
時間的にも、空間的にも。
樹種によって、あるいは、朽木の朽ち具合(時間)によって種構成がどのように変化していくのか。
また、朽木やそこにつく菌類に端を発する群集構造はどのように決定され、変化していくのか。
なかなか面白そうな問いかけだと思いません?
でも、"朽木"を取り巻く生態系を研究対象にしている研究者は、そんなに多くはありません。
しかも、深澤さんはその中でも特に混沌とした菌類を取り巻く生物の世界を相手にされています。
朽木をめぐる生物間相互作用。
考えれば考えるほど面白い系だ、とおそらく誰よりも、主催者である僕が、一番開催を楽しみにしているのでした。
紹介おわり。
皆さん、お気軽にお越しくださいませ〜
見聞読考録 2013/03/26