見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

福島のおばあ

あれが安達太良山、あの光るのが阿武隈川


昨日、高村光太郎の詩集「智恵子抄」に登場することで有名な、安達太良山に行ってきた。福島に住むおばあ(87)と両親と僕との三世代プチ旅行。



安達太良山の紅葉は今が見ごろ。ゴンドラの山頂駅から少し歩いただけで、感動的な景色が広がる。まるでパレットに色とりどりの絵の具を落としたような。こんなカラフルな紅葉は初めてみた。


ゴンドラで8合目まで行けるので、ちょいと足を伸ばして一人で山頂まで行ってみた。景色は素晴らしかった、けど人がねぇ。登山道での歩行者渋滞なんてのも初めて体験したよ。たった1時間半で往復できちゃったし、なんとも物足りない。次行く機会があればもっと静かで長いルートを選ぼう。



安達太良山山頂付近からの眺め。いかにも活火山、といった様相。


安達太良山の紅葉の景色もさることながら、一番感動したのは福島のおばあの元気なこと。見た目は確かに87歳なんだけど、歩いてる姿はそのへんのおばちゃんより断然シャキっとしてる。岩場の道もシャンシャンと足取り軽く、ふと気づけば小走りまでしてる。会話は知的だし、笑顔は絶えないし、いやすごいのなんの。年取ったらあんな風になりたいものだとつくづく思う。


「人生いろいろあるからね」


ふと思いついたように、おばあは言った。
金言に聞こえた。


見聞読考録 2010/10/18