見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

コーヒー + エタノール

標本整理を進める昨今。貝類や昆虫の液浸標本を作るには,エタノールを使う。

 

組織を保存しようとするのなら,70% ほどのエタノールに漬ける。DNA を保存しようとするのなら,筋肉などの組織を100% に近いできる限り純粋なエタノールに漬ける。

 

単純だが,とても大事な行程である。特に DNA 解析用のサンプルを長期保存しようとするなら,ここで手を抜くのは致命的となる。

 

浸した組織には当然,水分が含まれている。それを純粋エタノールに漬けても,組織の水分で希釈され,保存液であるエタノールの純度が下がってしまう。

 

よって,一度エタノールに浸した数日後に,純度の下がってしまったエタノールを交換する。そうすることで,エタノールの純度を高く保ち,DNA の長期保存を可能にするのである。

 

今日は,そういう作業をしていた。昆虫のエキスが溶け込んだエタノールを廃液用のカップに捨て,新しいエタノールを加える。ラベルを入れ,フタを閉じる。淡々とした流れ作業である。そして,事故は起きた。

 

疲れたので,コーヒーを飲む。すぐに吐き出した。

 

なんだこれ,まずい。強烈なエタノールの味がする。なんだか不思議なエキスが溶け込んでいる気がする。お,おえぇぇぇ。。

 

途中から無意識にコーヒーのカップに古いエタノールを捨てていたらしい。酷い目にあった。

 

奥の方に何かまだ残っている気がする。。う,うえぇぇぇ。。

 

 

見聞読考録 2019/05/29