見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

街出張

昨日から,横浜に来ている。
11 日からは名古屋,13 日には千葉,と僕には珍しい立て続けの街出張である。


早速さっき発表をひとつこなしてきたが,たった8分間の発表のためだけにここに呼び出されたのかと思うと,溜息が出てしまう。しかも酷く士気の低い会議だ。誰もクスリとも笑ってくれないし,質問だってしようとしない。会議の目的がさっぱり見えてこない。眠くなってしまう。


一番偉そうにしている,恐らく会場で一番偉いヒトが,「助成金の受領者から率直な意見や要望などを期待します」などと発言を促しているが,ここまで無難に資金援助を受けた若手研究者が,最終報告のような場でわざわざ危険を犯すような思い切った発言をするはずがない。それでいて「どうして誰も発言しないのか」などと,怒りの滲み出た発言を全員が聞き取れるような声量でボヤいているし,発表者の発言を否定するようなコメントもいちいち怖い。そんな雰囲気では,ますます発言をしずらくなるに決まっている。各々のインセンティブも理解せずに,各人の考えを汲み取ることなどできはしないのだ。


意見が欲しいならば発言者のメリットを考えなければならない。
それが,社会的な弱者であればなおさらのこと。


弱者を慮ることを忘れては,反感を買うばかりである。


見聞読考録 2018/05/09