ヨーロッパでは,公共の場にピアノが置かれていることが多い。
勝手に弾いて良いことになっており,大抵は誰かが椅子に座って音楽を奏で,自分の世界に浸っている。
長らく拠点にしているフローニンゲンの中央駅にもある。
アムステルダム中央駅にもあった。
ルクセンブルクの旧市街にもあった。
この夏,滞在したニーオスルンの基地にもあった。
そしてここ,スキポール空港にも立派なグランドピアノが置かれている。
もう 2 時間以上もキャップを後ろ向きに被ったお兄さんが,上手に弾き続けている。
深く腰掛けすぎた姿勢や,踏みっぱなしの右足のペダルに,独学感が見え隠れする。
どの曲も独創的にアレンジされ,とても楽しそうに仕上がっており,たいへん素晴らしい。
かと思ったら,違うお兄さんが 2 人,やってきた。
ああ,大声で歌いだした。ああ。ああ。
ヨーロッパには音楽が溢れている。
下手だろうと誰も気にしないし,聞く人も優しさに溢れている。
たいへん素晴らしい。
日本でもやったらいいのに。
見聞読考録 2017/09/30