見聞読考録

進化生態学を志す研究者のブログ。

論文公開

自分の論文がだいぶ前に公開されていたことに,今気付いた.


Evidence of introgressive hybridization between the morphologically
divergent land snails Ainohelix and Ezohelix
Yuta Morii, Jun Yokoyama, Masakado Kawata, Angus Davison and Satoshi Chiba
Biological Journal of the Linnean Society
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/bij.12466/full


主に北海道に分布する二種の陸産貝類(ヒメマイマイとエゾマイマイ)が,近過去に交雑していたことを示したもの.と,端的に表現してしまえば簡単だが,驚くべきはその二種の形態差で,近縁種とは思えないほどに似ても似つかない姿形をしているのである.中間型も存在しない(それ故,別属に記載されている).


本論文は,二種の種間関係にスポットライトを当てた最初の論文ということになる.これほど興味深い研究対象がこれまで見過ごされてきたのはひとえに,そのあまりにかけ離れた外見のせいだろう.それを最初に見出すことができたのは本当に幸運だった.


そしてそれ以上に,周りにたくさんの素晴らしい指導者や協力者がいてくださったことが,何よりも幸運だった.これまでご助力くださった皆さまに感謝し,今後の自分の研究の礎に,また糧にしたい.


続報も随時ここで紹介できたらと思っている.
御礼と宣伝を兼ねて,ご紹介.

                    • -

My first paper was opened.

Extensive introgressive hybridization is suggested between two land snail genera. This indicated that even morphologically distinctive animal lineages can hybridize and introgress.


見聞読考録 2015/03/04