何やら面白いサイトを見つけた。
これは何かに使えるかもしれない。
見聞読考録 2019/06/23
北海道の黒松内低地帯で行った研究がこの度,論文になりました。2015 年度に黒松内町から,2016 年度に日本土壌動物学会から助成をいただいて遂行したものです。
Morii Y*, 2019. The influence of deforestation on the land snail fauna of Kuromatsunai District, southwestern Hokkaido, Japan. VENUS, 77: 15–26.
森井悠太*.黒松内低地帯周辺の陸産貝類相,およびヤマナメクジの分布北限の記録.小樽市総合博物館紀要,accepted.
不慣れな分野に飛び込んだため,ものの見事に洗礼を受け,出版まで相当時間がかかってしまいました。とはいえ,それも含めとても良い勉強になったと思いますし,何よりお世話になった皆さんに無事に成果を還元することができそうでほっとしています。関係者の皆さんに心よりの感謝を。
academist Journal というウェブマガジンに,上述の論文の内容を一般向けに解説した記事を寄稿したので,良ければご覧ください。
カタツムリが語る森の歴史 – 北海道黒松内町のブナ林に残された 100 年前の森林伐採の影響 – academist Journal
おぉ,ちょっとすっきりした。次行こう,次。
見聞読考録 2019/06/06
ちょうど一週間前になろうか,ニュージーランドの中学生を相手にカタツムリの研究を紹介してきた。40 分くらいの講演だったが,反応も良く楽しんでもらえたのではないかと思う。
数人の生徒さんに至っては,まだ十歳かそこらなのに,恐ろしく的を射た質問や意見を繰り出してきたので,面食らってしまった。途中に口を挟まれ熱弁を振るわれたときなどは,私の話す内容がなくなってしまうのではないかとさえ思った。
そんな将来有望なニュージーランドの子供たちからいただいたメッセージカードがこちら。
Well done!! よくやった!というような意味のスラングとして使われる "Nailed it" という言葉と,カタツムリ "Snail" をかけたメッセージだ。上手い。座布団一枚。
何かの機会に使わせてもらおう。
見聞読考録 2019/06/04
標本整理を進める昨今。貝類や昆虫の液浸標本を作るには,エタノールを使う。
組織を保存しようとするのなら,70% ほどのエタノールに漬ける。DNA を保存しようとするのなら,筋肉などの組織を100% に近いできる限り純粋なエタノールに漬ける。
単純だが,とても大事な行程である。特に DNA 解析用のサンプルを長期保存しようとするなら,ここで手を抜くのは致命的となる。
浸した組織には当然,水分が含まれている。それを純粋エタノールに漬けても,組織の水分で希釈され,保存液であるエタノールの純度が下がってしまう。
よって,一度エタノールに浸した数日後に,純度の下がってしまったエタノールを交換する。そうすることで,エタノールの純度を高く保ち,DNA の長期保存を可能にするのである。
今日は,そういう作業をしていた。昆虫のエキスが溶け込んだエタノールを廃液用のカップに捨て,新しいエタノールを加える。ラベルを入れ,フタを閉じる。淡々とした流れ作業である。そして,事故は起きた。
疲れたので,コーヒーを飲む。すぐに吐き出した。
なんだこれ,まずい。強烈なエタノールの味がする。なんだか不思議なエキスが溶け込んでいる気がする。お,おえぇぇぇ。。
途中から無意識にコーヒーのカップに古いエタノールを捨てていたらしい。酷い目にあった。
奥の方に何かまだ残っている気がする。。う,うえぇぇぇ。。
見聞読考録 2019/05/29
パイン材やら Cupressus macroparpa(マクロカルパ)やらの薪を 4 m^3 まとめて 450 NZD で購入した。今月始めのことである。
NZ はすっかり秋めいて,雨降りの日などはすでに肌寒いほどである。ついに暖炉に火を入れるようになり,二度目の冬を間近に感じるようになった。
気づいてみればこちらに来て、もう 9 ヶ月も経ったらしい。早い。あまりに早い。しかしとても充実した 9 ヶ月であった。フィールドシーズンも終わりに近づき,もうそろそろ室内の実験に取り掛かりたいところ。
言った側から,明々後日から一週間以上も調査旅行に出かけるんだけれども。今シーズン最後のまとまった調査になる予定なので,許してほしい。
見聞読考録 2019/04/29
今日は,イースターである。春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に行われる祝の日だ。
日本語では,復活祭と言う。イエス・キリストが,十字架に架けられた三日後に復活したことを祝う日として,海外ではクリスマスよりも重要視されているとも聞く。
二年前にベルギーのアントワープ動物園を訪れた時も,ちょうどイースターの時期で,動物園にイースターの飾り付けをしたのか,それともイースターのお祭りに動物を持ち込んだのかわからないくらいに,盛大に祝われていたのを覚えている。
ここニュージーランドでもやはり,重要な祝日であるようで,年末年始すら休まなかったスーパーマーケットも,軒並み店を閉じていた。イースターの前の金曜と後の月曜も,基本的に休みだ。金曜に大学に行ったところ,廊下まで暗くてびっくりしてしまった。
このお祭りが日本に持ち込まれるのはいつになるだろうか。理由も知らずにお祭り騒ぎをするのが好きな人が多いようだから,上手く踊らせれば定着してもおかしくはないと思う。旗手は誰になるだろう。鶏卵業界だろうか,それともバレンタインデーのようにまたチョコレート業界が流行らせるのだろうか。
僕は踊るのは苦手だ。どちらか選ぶとしたら踊らせる側になりたいと,いつも邪に眺めている。
見聞読考録 2019/04/21